不定詞と動名詞について
今回は、to不定詞《to V》と動名詞《Ving》の奥に隠されたニュアンスについて説明します。
まず、以下の2つの文章を見比べてみてください。
①He stopped to smoke.
②He stopped smoking.
これらを日本語訳してみると、以下のようになります。
①彼はタバコを吸うために立ち止まった。
②彼はタバコを吸うことをやめた。
このように、stopは後ろにto不定詞がくるか動名詞がくるかで意味が変化します。
しかし、今回伝えたいのはそのことではありません。
今一度、2つの文章を振り返ってみましょう。
①He stopped to smoke.
「彼はタバコを吸うために立ち止まった。」
②He stopped smoking.
「彼はタバコを吸うことをやめた。」
ここで改めて注目してほしいのは、to不定詞には未来の、動名詞には過去のニュアンスが滲み出ていることです。
①の文において、「He」はタバコをまだ吸っていませんよね?
一方、②の文において、彼はタバコを吸うという過去の習慣をやめた訳です。
このように、動詞の後ろにto不定詞がくるか動名詞がくるかは、その動詞自体の意味に大きく規定されるのです。
他の例を見てみましょう。
She refused to join the club.
「彼女はそのクラブに参加することを断った。」
refuseは後ろにto不定詞をとることで、「〜することを断る」という意味になる動詞です。
この場合は後ろに来ているのがto不定詞なので、「彼女が(これから)クラブに参加することを断った。」という未来のニュアンスが出ます。
このような捉え方を知っておくと、ある動詞が後ろにto不定詞をとるのか、それとも動名詞をとるのかの判断がひと通りできるようになります。